鏡王女物語 (八) 注書き
(注801)ムツキ( 襁褓) 大小便を洩らさないように腰の下に当てるおむつ、おしめ、のことです。
(注802)当歳(とうさい) 生れて一年も経っていない、の意味です。
(注803)山城(やましろ) 現在の京都府中南部にあった国。ヤマシロの語源は、大和(ヤマト)の背(ウシロ)の国で「ヤマシロ」といわれます。
(注804)山科(やましな) 京都と大津の間にある地名。現在の京都市山科区。
(注805)瀟洒(しょうしゃ) あか抜けしておしゃれ、の意味です。
(注806)ひと刻(とき) 昔は時刻を12に区切って十二支の名を付けていました。1刻は現在の2時間にあたります。夜中の12時が子(ね)の刻で、それから2時間刻みで丑→寅・・・と進んでいきます。
(注807)血道(ちみち) 出産前後や月経・閉経時に表われる頭痛・めまい・悪寒などの症状のことです。
(注808)五経(ごきょう) 儒教の易経・書経・毛詩・礼記・春秋という基本的な五つの経典のことです。
(注809)文言(もんごん) 一般の言葉とかけ離れた文章用語。
(注810)挽歌(ばんか) もともとは使者の棺の車を引く時に歌う歌。転じて、使者を悼む詩歌をいいます。
(注811)御智姫(おちひめ) 中大兄夫人として蘇我遠智媛の名が日本書紀にあります。
(注812)人口に膾炙(じんこうにかいしゃ) 人々によく知れ渡っていること。「膾炙」は「なます」と「あぶり肉」でどちらもおいしく人の口に合うことから生まれた言葉です。
(注813)あかねさす紫野行き の歌 これは、万葉集巻一第二〇番に出ている、天智天皇一行が蒲生野に遊んだ時に、という前書きの後にこの歌と次の二首が載っている。大海人皇子に額田王が詠んだ大胆さで有名な歌です。
(注814)紫草の匂える妹を の歌 この歌は、万葉集巻一第二一番 前掲の歌の返歌で、大海人皇子が額田王に返した歌。男女間の交際がおおらかな時代の歌の典型とされます。どちらもそのまま使わせてもらいました。
(注815)柳眉(りゅうび) 柳の葉のような美しい眉を云います。
(注816)采女(うねめ) 古代の宮廷の下級の女官のことです。
(注817)所望(しょもう) 前出(注438) 物が欲しい、こうしてほしい、と望むことです。
(注818)機を見るに敏(きをみるにびん)
(注819)悋気(りんき) 男女間の女のやきもち、嫉妬(しっと)のことです。
(注820)ささら姫(ささらひめ) のちの持統天皇。諱(いみな)は鸕野讃良(うののささら)と日本書紀にあります。
(注821)方術(ほうじゅつ) 道教の「方士の術」から出た言葉で、仙術とも言われる不思議な超能力の術のことです。
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