鏡王女 (六) 注書き
(注601)甍(いらか) 瓦(かわら)のことです。
(注602)薄葬令(はくそうれい) 身分に応じて墳墓の規模などを制限した勅令。
(注603)朝な朝な の和歌 この和歌は、万葉集巻十一第三二一八番 作者不詳 の歌です。 ほぼそのまま借用しました。”毎朝家を出て筑紫の方角を眺めては、どうしようもなく私は泣きに泣きます”という意味です。
(注604)御身(おんみ) 「あなた」を丁寧にいう言葉。現代では使われていません。
(注605)立振舞(たちふるまい) 動作のようす、のことです。
(注606)妻問(つまど)い 女性に妻になってくれと非公式に(夜)やってくること。
(注607)吟味(ぎんみ) 調べること、です。
(注608)軽口(かるくち) 冗談(じょうだん)口のことです。
(注609)嫡男(ちゃくなん) 跡取りの息子、一般に長男です。
(注610)かまびすしい 前出(注422) やかましい・かしましい と言う意味で昔使われた言葉です。
(注611)大海人皇子(おおしあまのおうじ) 大中兄皇子の異母弟で、後の天武天皇です。名前が「天渟中原瀛真人(あめのぬのはらのおきのまひと)」と「真人」という姓が入っている謎があります。「真人」は皇族という姓とされているのに何故?という謎です。
(注612)由緒(ゆいしょ) 現在にいたるまでの立派な経歴・歴史のことです。
(注613)筑紫琴(ちくしごと) 福岡の沖の島遺跡から雛形が出土しています。正倉院に保存されているそうです。5弦が特色で『隋書』俀国(たいこく)に五弦の琴あり、とあるのに符合します。
(注614)筑紫琴の歌 この和歌は、万葉集巻七第一一二九 作者不詳の歌です。ほぼそのまま借用しました。“琴を手に取ると、嘆きが先にたつ おそらく、琴の表の下の胴の中に亡き妻が隠れているのだろう”という意味の歌です。
(注615)時計(ときばかり) 天智天皇が水時計(漏刻)を作った、と日本書紀にあります。それは、容器に水が流入・流出し、その水面の高さの変化で時刻を知る仕組みです。奈良飛鳥寺近くの水落遺跡がその遺構といわれています。
(注616)公達(きんだち) 昔、皇族やそれに連なる姻戚の公卿を言いました。
(注617)面映ゆい(おもはゆい) てれくさい、都言う意味です。顔を合わせるとまばゆく感じられる、ということから来ています。
(注618)からくり 機械仕掛け、という意味です。
(注619)蒔絵(まきえ) うるし塗の技法の一つ。漆が生乾きのうちに金粉や銀粉を蒔くやりかた。
(注620)吉野王子(よしのおうじ) 舒明天皇の第一皇子で古人大兄皇子ともいわれ、中大兄皇子の異母兄です。乙巳の変といわれる政変で中大兄などに殺されたといわれます。
(注621)皇極天皇(こうぎょくてんのう) 前出 寶女王の注参照)
(注622)頭角を現す(とうかくをあらわす) まわりよりも腕・技量が優れていることがはっきりしてくることをいいます。
(注623)繰り言(くりごと) くどくどと下らぬことを言うことです。
(注624)孝徳殿(こうとくどの) 姉、皇極天皇の後を継いだ孝徳天皇、幼名は軽王子(かるのみこ)です。
(注625)虎視眈々(こしたんたん) 強いものがチャンスをうかがって構えている様子をいう四字熟語です。
(注626)傑物(けつぶつ) 優れている人物のことです。
(注627)肝要(かんよう) 肝心の中心的なところ、の意味です。
(注628)ひさかたの都を置きて の和歌 この歌は、万葉集巻十三第三二五二番 柿本人麻呂 です。そのまま借用させていただきました。
(注629)破格(はかく) 普通のきまりから外れていることです。
(注630)相問歌(そうもんか) 気持ちを交換する意味で、二人で詠みあう和歌のことです。
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